2023年09月15日

2023(令和5)年 第36週
(9月4日~9月10日)

~インフルエンザ~
咳エチケット、手洗い、マスクの着用、ワクチン接種が重要

【定点把握感染症】
「インフルエンザ 全11ブロックで増加」
 第36週の小児科・眼科定点疾患の報告数の総計は2,197例であり、前週比12.3%増であった。
定点あたり報告数の第1位は咽頭結膜熱で以下、感染性胃腸炎、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、流行性角結膜炎、ヘルパンギーナの順で、定点あたり報告数はそれぞれ3.92、2.96、2.54、0.81、0.48である。
 咽頭結膜熱は前週比22%増の768例で、中河内5.68、堺市5.63、大阪市南部4.94、泉州4.19、大阪市北部3.86であった。
 感染性胃腸炎は7%増の581例で、中河内4.95、南河内4.75、大阪市南部3.67である。
 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は18%増の497例で、南河内3.81、大阪市南部3.28、堺市3.16であった。
 流行性角結膜炎は17%増の42例で、大阪市西部2.50、中河内1.60、大阪市東部1.00である。
 ヘルパンギーナは3%減の94例で、中河内1.05、堺市0.68、大阪市東部0.60であった。

 インフルエンザは60%増の1,189例で、定点あたり報告数は3.90である。大阪市西部6.07、南河内5.42、北河内4.71、豊能4.51、堺市4.10であった。
第33週に流行開始の目安1を超えて以降、4週続けて増加している。
2023年8月に大阪府内で検出されたインフルエンザウイルスはすべてAH3であった。
 新型コロナウイルス感染症は2%増の4,458例で定点あたり報告数は14.62である。
泉州18.03、堺市17.93、北河内15.88、南河内15.79、大阪市南部14.56であった。
年齢別では、1歳から19歳で48%を占め増加しているが、それ以外の年代では減少している。

~つつが虫病~
国内では、年間400~500例の感染報告がある。

【全数把握感染症】
「つつが虫病」
つつが虫病は、つつが虫病リケッチア( Orientiatsutsugamushi )を起因病原体とし、野山でダニの一種であるツツガムシの幼虫に吸着されることにより感染する。
ツツガムシの活動が活発化する5-6月と11-12月に発生が多い。
潜伏期は5〜14日であり、発熱、発しん、刺し口が主要三徴候である。
高熱を伴って発症し、皮膚には特徴的な刺し口(黒色痂疲)がみられ、その後体幹部を中心に発しんがみられる。
検査所見では肝逸脱酵素の上昇、血小板の減少が認められる。
治療には、抗菌薬投与が効果的であり、第一選択薬はテトラサイクリン系の抗菌薬である。
β-ラクタム系の抗菌薬は全く無効である。

野山に入ったり、家畜等にむやみに触れることで、ダニに咬まれないように注意しましょう!(大安研)

つつが虫病(国立感染症研究所)

【大阪府感染症情報センターより参照】
(令和5年9月14日更新)